理想主義随筆

日々の随筆、散文

成功体験


「勝ち癖」という現象が存在する。勝ちを重ねて行くと、さらに勝ちやすくなるのだ。


一匹のカブトムシに、おもちゃのカブトムシを対峙させ、おもちゃのカブトムシを負けたように動かす。すると本物のカブトムシは勝ったつもりになる。これを何度か繰り返すことによって、何度も「勝ち」を経験させたカブトムシと、いっぽう何もしていないカブトムシを戦わせると、勝ちを経験させたカブトムシが勝つのである。


ほかにも、こんな実験がある。


グッピー100匹を水槽に入れて餌を与えると、だいたい50匹が餌にありつく「勝ち組」となり、残り50匹は餌にありつけない「負け組」になる。

 

この負け組の50匹を取り出して別の水槽に入れ、そこで餌を与えると、その中で新たに25匹の勝ち組と25匹の負け組ができる。


最初の勝ち組50匹のみの水槽でも、その中で25匹の勝ち組と25匹の負け組に分かれる。


さらに面白いのは「勝ち組」の中の「負け組」と、「負け組」の中の「勝ち組」を同じ水槽に入れる。すると、以前負けたはずの「負け組」の中の「勝ち組」が、餌にありつく。

 

つまり、母集団に関わらず(集団のレベルに関わらず)「勝った」という成功体験が重要であり、その成功体験は次の成功(別の集団での成功)にもつながるということである。


このことから分かるのは、まずは自分の勝てるフィールド、枠組み、コミュニティ、分野の中で成功を重ねることが重要だということだ。そして、徐々にステップアップをしていけばいいのである。このレベル調整を適切にせず、いきなり難しいレベル設定をして失敗体験を重ねてしまうと、成功の波には乗れない。そのため、一つ一つの“挑戦”には慎重になったほうがいいということも言える。


ブログをするにも「更新が止まる」=「失敗体験を重ねること」になってしまうので、それなりの覚悟を持って挑戦する必要がある。

また例えば「毎日更新しなければならない」「質の高い文章を書かないといけない」などと条件を厳しくしすぎると続かない。

・質は気にしない
・毎日更新する必要はなく、だいたい2日に1回くらいのペースで更新する
・自分が楽しければいい、人の目は気にしない

という低いレベルの条件を設定することで何とか更新を続けて、成功体験を積んで行き、更新をするのが当たり前な状態になってきたら(つまり勝ち癖がついてきたら)、レベルを上げて質や執筆ペースを上げていけばいい。

 

成功体験を積んで行けるよう、適切にレベル設定をし、まずは自分に勝っていこう。