理想主義随筆

日々の随筆、散文

労働環境の最適化

人は、物理世界に意識を取られると、抽象的なことを考えることができない。

たとえば、オフィスが暑くて耐えられないほどだと、仕事など手につかない。寒くてもまたしかりだ。

また、椅子が心地よくなくて腰に負担が大きいと、気になって考え事などは捗らない。

企業の内勤者は大抵は席が決められてるし室温の調整も好きにはできない。

休憩室があればいいが、休憩室がない企業は、まともに休むこともできない。

座っている姿勢を保つのも、一日中となると不可能に近いため、業務効率は落ちる。

ささいなことだが、その辺りを経営者あるいは総務が分かっていないと、組織として生産性が低くなり没落して行くだろう。

社員は細胞である。生き物である。縛り付けると機能不全を起こして死ぬ。

フリーアドレス、フレックスタイム、休日フレックス、リモートワーク、パワーナップ、などの制度を導入できない柔軟性のない企業は今後苦戦を強いられるだろう。

社員は疲弊し、モチベーションが低く、いかに休むかに気を遣い、会社に定着しない。そんな職場に、一員になりたいと思わせる魅力はない。

最近では主にベンチャー企業でよく見られるが、採用戦略として、オフィスをオシャレなデザインにすることで、学生の志望動機を高めている。

誰だって、オシャレなインテリアに憧れるし、空間がコンテンツとなるような、そんなカフェのようなオフィスだったら毎日行きたくなるだろう。

同じ姿勢に疲れたら、席を立ってノートパソコンを持って別の場所で続きの仕事をする。

集中が切れたら、休憩室に行って他の社員と雑談をしたり、仕事の進捗を聞いたりして英気を養う。

仮眠室で10分、体を横たえて脱力して、疲れを抜く。

そんな当たり前のライフハックをシステムとして導入できない企業は、繰り返しになるが絶対に遅れを取る。

採用費を掛けて、辞めていく社員の穴埋めをしては、また一方で社員が辞めて、というような繰り返しをするくらいなら、オフィスリニューアルやオフィス移転をしたほうが結果的にはコストがかからないだろう。

拷問のような、身体的に我慢を強いるような労働環境は早くこの世から無くなるべきだ。

今後、単純作業はAIがやる。

人間は、散歩でもしながら創造的なことを考えることに集中していくことになるだろう。