理想主義随筆

日々の随筆、散文

帰属意識

帰属意識を高めるには、いかに組織の「内」と「外」をはっきりと意識させることができるかが重要だ。


まず、組織に入る前後のタイミングで、しっかり通過儀礼をしないといけない。 課題を設定し、それを乗り越えさせることで、その組織に所属できることは誇らしいことなのだ、と意識させる。これは一旦仮に所属したあとにおこなってもいい。そして、乗り越えたことを讃え、歓迎会などの形で祝福する。
ここが曖昧だと、新参者はかんたんに離れて行ってしまう。


その後は、定期的に内と外を意識させるリテンション施策が必要だ。

定例会や機関紙など組織内広報によって、インナーブランディングをおこなう。組織内で最近なにがあったのか。どういう方針で活動をしているのか。組織内のほかの人は何をしているのか。その組織の社会での立ち位置、活動の意義など、都度共有することが重要だ。また共通言語を作ったり、理念などを設定するなど、その組織特有の風土を作ることで、外との差別化ができ、内と外を意識することができる。
インナーブランディングができていないと、個々は目の前にある自分の役割をこなすだけになってしまう。組織の輪郭と、その一角を担っているという認識を持たせる必要がある。

また組織内イベントをおこなったり、拠点や交流できるたまり場を用意したり、合宿をおこなうことで、組織内の個々のつながりを活性化させる必要もある。人情的なつながりが生まれない組織は、組織として成功したとしても、個々を幸せにしない。


内側の人間として外側に働きかけるということをさせるのも重要だ。たとえば、組織の一員としてインタビューに答えてもらったり、勧誘活動をお願いして知人に組織の紹介をしてもらう。これはかなり有効で、人に説明するには必然的に「内」のことをよく理解し、組織の強みをよく考えなければならないからだ。そこで組織の魅力を再確認し、内への意識が強まる。


また国家単位でも行われることだが、外に敵を作ることで、内がまとまる。ベンチマークする他組織などの情報も共有宣伝するといい。


帰属意識が強まれば、個々が組織に注ぐエネルギーの総量が増す。そうすれば必然的に、組織の価値は上がる。